昭和懐かしの温かさを残している下宿屋のおばさんです。
会館から15年余り、数々のドラマがありました。
その中でも、この仕事ならではの、深く心に残るエピソードがあります。
今では使わない「青春」という言葉。
社会人の準備として、若い学生さん達は紆余屈折の連続です。
この15年のお中でも、ひときわ「食べることが大好き」な子がいました。
課題が大変な時も、「今日のご飯を楽しみに頑張れる」と、
満面の笑みで話しいてくれる彼女の笑顔が、
私の励みにもなっていました。
そんな底抜けに明るい彼女が、
日に日に元気がなくなってきていました。
夕食の後、みんなが部屋に戻り、彼女一人になった時、
「どうしたの?」と声をかけると、
ポツリポツリと心の内の言葉を、
旨の奥から取り出すように話してくれました。
美術系の彼女は、私には想像もできない大きな壁があるんです。
そして夢も。
渡るべき未来の川に一歩踏み出せない苦悩。
かける言葉もみつからないまま、
「いつも頑張っているから、頑張りすぎないでね。体、第一位だから」
ありきたりの言葉ですが、少しだけ力がわいたのでしょうか。
彼女に渡した」夕食のお茶のポット。
そのポットにはってあったメモに、私もうるっとしてしまいました。
